第1章

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「そうしろよ。ねぇちゃんだってアメリカから帰って来てすぐ仕事行ったんだから疲れてんだし」 「ありがと、醒。優しい子になったね?」 「なっ!ね、ねぇちゃん面すんなよ!」 「おねぇちゃんだし♪」 「うっ!早く寝ないと肌が曲がるぞ!すぐにオバチャンになるんだからな、女ってもんは!」 「醒!」 なんか照れくさくてまた嫌口言って自分の部屋へ逃げたおれ。 二人しかいない家族だから手を取り合って生きてかなきゃと思うのになかなか大人になれない自分が歯痒い。 どんな態度や言葉で接するのが男として弟としていいのかも分からずこの歳までなってしまった。 ねぇちゃんの幸せって...どんなだろうか? おれが手の掛からない大人の男になることか、やりがいのある仕事に従事することか、それとも...。 (そういえばねぇちゃんって彼氏作ったことあるのかな?今まで紹介されたこともないけど...) 服を脱ぎ捨てベットにダイブする。 自分はそれなりに何度か告られ付き合った女もいたけど...。 (ねぇちゃんもいつか結婚とかするんだろうな。そん時おれは...) 想像も出来なかったおれだった。 .
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