プロローグ

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それでも生きなければいけない。 兄の形見を身に背負い、私を必死に励まし奮い立たせた両親の意を受けるために。 見えるもの全てに感謝と感激を感じ、兄の分も生きてやると決めれた。 兄を亡くした家族の悲しみはみんな同じくらい悲しいくせに、私が光を感じられるようになって両親も笑ってくれた。 私の目がまた見えるようになって初めて見たのが2人の笑顔。 あの笑顔は絶対忘れない。 私の頭の中で残っていた思い出の両親の笑顔のままだったから。 でもそんな2人も兄が亡くなって3年後に亡くなった。 私と醒を車に乗せて向かった墓地からの帰り道...対向車線から突っ込んできたトラックにぶつかり...4月29日に。 奇しくも同日という家族の命日は、3人の命という重みを私と醒に残した。 同乗していたのに一緒に死ねなかった私たち2人は、悲しくも両親の保険金で生きていく羽目に。 たった2人になってしまった家族。 でも、2人は思い出の中で生き、1人は私の光となって生きている...。 .
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