プロローグ

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3つ下の弟、醒は19歳で大学休学中。 何だかんだ言って大学行かないものだから、少しでも働けと志麻叔母さんの店でバイトさせている。 身内の店ならヘタなこともないだろうし、真面目に働いてくれるだろうと思ったから。 それでも若さからかたまに無断欠勤で友達と出掛けたりもして...目が離せない。 叔母の店は広くはないが落ち着いた内装の高級クラブを銀座で経営している。 そこのボーイとして週数日醒はシフトに入っていて、今までのバイトの中では長続きしている方だった。 そしてその店に私も月に数度ヘルプで手伝いに。 本業があるからそのシフトの都合ということもあるけど、醒の動向を見守るって体もあるし、お小遣い稼ぎという名目もあるのだ。 姉と弟二人きりの生活は未だ不安と寂しさで日々目まぐるしい。 唯一の肉親の叔母が居なかったら...今の私たちはなかったかもしれない。 .
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