3人が本棚に入れています
本棚に追加
想い
何かと正当な理由を付けて。
僕は彼女を誘う。
それは、話の流れで自然なものだ。
他の誰でも、あり得ることだ。
しかし、僕が誘うのは彼女だけ。
そして、彼女は必ず来る。
…僕の気持ちは、バレているのだろうか?
彼女は、いつもと変わらない。
英語のレッスン時間と同じ。
ニコニコ笑いながら、僕の前にやって来る。
僕は、彼女と会う度に。
想いを、心の一番奥に押しやる。
押し込んで、押し込んで…
無理矢理に蓋をする。
その上で仁王立ちして、彼女を迎える。
彼女は、僕と会う時に。
何を考えているのだろう?
何を思っているのだろう?
ふたりで会うことに。
ためらいもなければ、喜びもないのだろうか?
僕は、彼女にとって、講師でしかないのだろうか?
決して聞けない問いかけが。
僕を苦しめる…。
最初のコメントを投稿しよう!