プロローグ

1/1
976人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ

プロローグ

放課後、街へ繰り出す。 特に用事などない。そんな時間が特別で、楽しくて仕方ない。 帰り道の買い食い、コンビニ、ファーストフード、本屋、たまにカフェ。 街は色んな制服が交じる。どこの学校か知らないその制服は、妙にカッコ良く見えたりして。 こっちは女子のグループ、あっちは男子のグループ、意識をしながらすれ違う。品定めしては、はしゃぐ。たったそれだけのことで、1日中おしゃべりしてられた。 自分たちは着ることがない、そんな制服に憧れた。あっちの世界は特別素敵に見えた。自分たちより“青春”してるように見えた。 制服マジック。同じ高校より2割り増しでカッコ良く見えた。すれ違うだけの、“他校生”は。
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!