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プロローグ
放課後、街へ繰り出す。
特に用事などない。そんな時間が特別で、楽しくて仕方ない。
帰り道の買い食い、コンビニ、ファーストフード、本屋、たまにカフェ。
街は色んな制服が交じる。どこの学校か知らないその制服は、妙にカッコ良く見えたりして。
こっちは女子のグループ、あっちは男子のグループ、意識をしながらすれ違う。品定めしては、はしゃぐ。たったそれだけのことで、1日中おしゃべりしてられた。
自分たちは着ることがない、そんな制服に憧れた。あっちの世界は特別素敵に見えた。自分たちより“青春”してるように見えた。
制服マジック。同じ高校より2割り増しでカッコ良く見えた。すれ違うだけの、“他校生”は。
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