第2話

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「柔らかそうで、ちょっと長めの髪」 「うんうん、野球部ではないわね」 さっちゃんが分析をする。紗香はメモを取ってる。 「背は高かった。えと、ふっちーくらいかな?」 「それは、結構高いな」 さっちゃんが分析して、紗香は例えがふっちーなのが気になって頬を膨らませながらメモを取る。 「自転車乗ってた」 「あ、それ有益な情報! チャリ通!」 さっちゃんが分析して、紗香がメモ。 「手の甲に擦り傷」 「傷の位は?」 「浅い」 「新陳代謝が盛んなお年頃、治ってるぅ」 だけど、紗香はメモを取ってる。 「あ! そうだ、うちの高校、スニーカーとバッグは自由なのよ、そこ見てない?」 「バッグは、黒で……スニーカーは多分……」 彼の自転車の後ろ姿を思い出した。 「スタンスミス……」 「何色?」 「白で後ろのとこが赤のやつ」 「赤ぁ? 普通緑じゃないの? 譲ってネイビー、派手なヤツだね!」 ぶつぶつ言いながらも紗香はメモ 「ふっちーのスニーカーは?」 だけど、自分のリサーチは欠かさない。 「リーボックのポンプ」 「色は?」 「赤」 「ド派手だな」 さっちゃんは眉をひそめたけれど 「男らしい! やっぱ赤よね!」 なんていいながら、違うページにメモを書いている。 「あ、でも靴箱に入りにくいとかで、今はローカットの……」 「臨機応変! 柔軟性がある! さすが、ふっちー」 「何でもいいんだね」 と、さっちゃんが呆れる。 「何でもいいのよ」 「「ふっちーなら」」 そうでしょうとも。 「あと、特記事項ある?」 「……人懐っこい」 あの笑顔を思い出しただけで……胸がぎゅっとなる。 「あー、おもいっきり“恋する乙女だね”」 紗香がニヤリと笑った。かぁっと熱くなった頬を氷の溶けきったドリンクの外側で冷やした。 「スニーカーで割れた気がするんだけど」 「いや、でもスニーカーなんて気分で変えるでしょ?」 「私、ずっと一緒」 「……さっちゃんはそんな感じ」 「気にしなーい」 「昨日、犬のう○こ踏んだかもしれないよ」 「わぁ、捨てる」 と、言ったら 「え! 捨てるの!?」 と、さっちゃん。 「洗うの?」 「踏んだ方の足を引きずって歩けばそのうち……」 「さっちゃんそんな感じ」 うら若き乙女のう○こ話……。 「とにかく!」 「見つかったらいいね!」 「うん!」 元気な声で返事して思った。見つかったら……どうするっていうの、私。 もう一度会いたい!けど、会ったらどうするっていうの、私。
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