第4話

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第4話

──昼休み。 昨日同様にむっちゃんがお弁当を持ってやって来た。 「よう、むっちゃん!」 「あ、よう!ふっちー!」 なんてやり取りですら、むっちゃん嬉しそうで…… 「むっちゃん、やっぱこの為に来てんじゃないの?」 ってからかう。 「ちょ、聞こえる! 違うから、本当、違うから!」 「睦美!」 そう言って入ってきたのは……誰だろう。 「あ、セイ! どうしたの?」 「あれ、さっちゃん!? 睦美、さっちゃんと友達だったんだ」 「いや、昨日から友達」 首を傾げたセイと呼ばれた女子は、さっちゃんと同じバスケ部で、むっちゃんと同じ3組だということが分かった。 「セイ、どうなってんの?」 「睦美、3組の一部の女子と揉めてんの、知ってる?」 「……うん」 その原因の男子は、セイとも知り合いらしく…… 「よう!」 と、言った。 「おう!」 セイが男前な返事を返して、私たちに向き直った。凄い顔の整った……ハンサムな人だ。さっちゃんと同じくらい背が高い。話してみると、性格もハンサムだった。 「私、ちぃこと同中なんだけどさぁ、あいつ、昔からそうなんだよ、ああいうとこ、ほんっとに嫌い!」 正義の見方みたいなセイはそう言うと 「あ、お弁当取ってくる。ちょっと待ってて……」 そう言って走り去って 「お待たせ!」 そう言って帰ってくると 「パン買いにいこ」 今日もそう言って立ち上がったふっちーに 「私、メロンパン!」 そう言って100円玉を渡した。 「おー」 「よろしく!」 「よく食べるよね、セイ」 「部活までもたないでしょ?」 いわゆる女子高生の可愛らしいお弁当箱ではなく、しっかりとした量を食べてる。そこも潔いし、引き締まった体は、これくらい必要なのだろう。 「さっきの話! ちぃこってさ、大人しいし、ウマイんだよね、女子で群れるタイプで、どんどん味方つけてくの。好きな男を直ぐに人に話すのも、“私が先に好きって言ったんだからね”って感じ。牽制に使うの。他の子が言いにくいように……『私なんてぇ』って言いながら、回りの協力仰ぐんだよ。あのやり方、好きじゃない!」 ピシャリとセイが言った。 「でもさ、気持ち分かる」 むっちゃんは、そう言った。 「あんたねぇ、それでグループ追い出されて、まだ庇う?」 「追い出されたっていうか、居心地悪くて、私が出ただけだし」 むっちゃんが箸を止めてそう言った。
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