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鹿児島で有名な軽羹饅頭は17世紀頃に作られ始めたと言われている。 今でこそ、砂糖は手軽に手に入るものだが、古来、日本では貴重品であり、室町時代以前には庶民が口にできるものではなかった。小豆を使ったおしるこや羊羹が江戸時代に広まったのは、砂糖の入手が比較的楽になったことが背景にあるとも言われている。 薩摩藩は奄美や琉球を支配下に置いていたため、原料となるサトウキビの入手が楽であった。天保の改革の頃には、大島、喜界島、徳之島からの砂糖の買付をしていたことが記録に残っている。 そういう状況であっても、庶民が気軽に軽羹饅頭を口にできるわけではなく、貴重品という概念は依然としてあったのである。
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