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古代ケルト人の社会では秋の収穫を祝い、冬にやってくる邪悪なものに対抗するためにある種の祭りをする風習があった。紀元前のキリスト教到来以前のイギリスやアイルランドでは、ドルイドの神父たちが10月の末日にその行事を執り行っていた。 それ以降のヨーロッパでも、同様に秋の収穫を祝い冬に備えるための儀式はあったようだが、現代のものとは異なり、カトリックにせよプロテスタントにせよ、厳か(おごそか)な宗教儀式的な意味合いが強かった。 アメリカ合衆国は若い国である。もともとはピューリタンが移住して開拓した国であるから、宗教的な文化背景はキリスト教のそれに基づいている。移民当初はハロウィーンの風習もヨーロパのそれと変わらなかったと思われる。 映画「E.T」などで有名な例の儀式は、本来はキリスト教とは無関係なものであったから、独立当時のアメリカでは行われていなかったらしい。それが、19世紀になってアイルランド系やスコットランド系の移民が増えたことによって、ケルト文化が入り込むことになった。 “Trick or treat”の掛け声でおなじみのハロウィーンの風習は、こうして19世紀アメリカで広まったといわれている。
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