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浅見さんに申し訳なくなって席を立った。
「あの、このお話は無かった事にして下さい」
「茉奈さん、待って」
わ、また追いかけて来てる。レストランを出たところで浅見さんの手に捕まった。
「なにか、気にさわった?」
本当に心配そう。不安気な表情が浅見さんの人柄の良さを伝えてくる。
優しい人なのかもしれない――
今朝の出来事を正直に浅見さんに話す。下心がたっぷりだったから、きっとそれで引かれると思っていたのに。
「あぁ、そんなこと。いいよ、気にしなくて」
あっさり返事が返ってきて私の方がびっくりしてしまった。
「結婚してから問題が起きるか、結婚前に起きたかの違いでしょ」
浅見さんの口調がだんだんと気さくになっていく。やわらかな雰囲気が居心地が良い。
結婚を前提に―― 浅見さんに言われてお付き合いが始まる。心を決める時間は半月も無い。
私、本当に浅見さんと結婚するの……?
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