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第六話 手当
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皮膚が擦れたところに消毒液と絆創膏 その上に軽く包帯を巻く
打撲した場所は包帯を固く巻いて動かないようにする
というような作業を片谷は繰り返し 大体の傷の手当が終わった
そんなタイミングで片谷は問いかけてきた
「いとことして聞くけどさ、君、最近何か嫌なことでもあったかい?ほら、何かに飢えるというか。」
どういう意味だよ
と思いつつも 質問を質問で返さないようにしようと 素直に答えた
「ないです」
不満や飢えは本当になかった
思い当たる節も
無かった
「そうかい…ならいいんだ…」
どこかがっかりしたような声で片谷は答えた
「どういう意味の質問だったんですか?」
残りの傷の手当てをしながら片谷は答えた
「君が『異常』かどうかのテストのようなものさ」
意味が分からなかった
「『異常』?」
「君は重度のうつ病である疑いが、私にはある。それも前代未聞の症状、治るかどうかもわからない。」
説明を受けた後でも 意味が理解出来なかった
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