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目が覚めると真っ白い天井が目に入った。微かに香る消毒の臭いに思わず飛び起きる。その衝撃でお腹に激痛が走った。左腕には点滴が刺さっている。やっぱりというべきか俺の元の身体ではないらしい。
元の身体とは違って華奢であるが程好く鍛えられ引き締まった身体。そして陶器のような白い肌。違和感しかない。
悶々と考え込んでいると病室が開いた。当たり前だが見たことない奴(男)だ。見た感じ医者でもない。入るなり驚愕に目を見開き俺の元へと近づいてきた。
「響、目が覚めたんだね!」と優しいテノールで声を掛けて俺の、、、というか俺が入っている身体の顔を両手を使いスルリと頬を優しく撫でた後、ハッとしたように直ぐに医者を、と離れて行こうとしたので反射的に腕を掴んだ。ソッと掴むというよりガシッと掴んだというべきか。
驚いたように「響」と呼んだ。
「お前は誰だ。」と馬鹿正直に言ってしまったが、後々ボロを出すよりマシか。という事で一旦納得しておく。
記憶がないのか!という騒ぎになったのは言うまでもないだろう。
そして、医者と対面している。その騒動のせいなのか何なのか更に2人ギャラリーが追加された。この身体よりも大きい男と腹黒そうな女みたいな男。名前は知らん。
「それで君は咲島 響ではなく木藤 槙であり、全くの別人だと?そう言うんだね」
「だから、そう言っている」そう言い切った俺にその場が凍り付いた。俺自身もわかっている。おかしい事を言っていると。【黒薔薇】に関する質問に対しても知らぬ存ぜぬを貫き通した。
何かよくわからん内に"腹を刺されたショックで別の人格"が生まれた。ということになってしまったが、、、もう、よしとしよう。これ以上掘り下げてもそういう病院に連れていかれて検査、検査、検査とされる事が目に見えているからな。
いつまでかは分からないが人格の1人"槙"として生活することになった。が表では"咲島 響"として生活するけどな。
グループやら何やらの関係などは氷姫 龍と砕華 空が教えてくれる。さっき増えた2人の名前だ。ちなみに俺に触ってきた最初の奴は鈴木 貴教(すずき たかのり)という名前のマネージャーらしい。愛称は"鈴ちゃん"もしくは"貴(たか)"。この3人が主にフォローをしてくれるようだ。
どうなるかは分からないが、、、やるしかないようだ。
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