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プロローグ3 秘密基地ともう一つの世界
リリスちゃんが転入してきてからは、ドッジボールだけじゃなくて図書室に行って秘密基地を組み立てるためのちょっとしたコツとかを色々調べてみることにした。
―2030年5月初め頃、例の場所―
「さて、ここら辺に土台を作るよ!」
「土台って…材料とかあるのかよ?」
「初めはダンボール製のやつを作ろうよ。いきなり木製のやつを作ろうとしたらすごく時間がかかるよ。だから、ダンボールである程度のものを作って、そこからどんどんすごいのにしていこうよ!」
「なるほどなぁ…だからお前そんなでっかい荷物持ってたのか。」
僕は家や学校でこっそりかき集めておいたダンボールをそこら中に広げてみた。僕の体格を基準としてだいたい四、五人は入れるくらいの大きさになるように置いてみた。
「おお…すっげぇ…でも、雨を避けたりできねぇな、これじゃあ。」
「そっか、雨を避けるにしてもダンボールじゃマズいよね…とにかく今はダンボールをガムテープでしっかりくっつけておこう!」
こうして僕と裕斗はかれこれ一時間半ほどかけて秘密基地の土台を完成させた。
「そうだ…テント張るときに使う杭を使おう!それでダンボールを地面にしっかりと固定させるんだ!」
「テントの杭だな?オレの家にありったけあるから、持ってくるよ!一輝くんは待っててよ!」
裕斗の家はキャンプに行ったり、フィールドワークが仕事になってる人が多いからそのぶんアウトドアグッズは豊富だったみたい。かなり心強いよ!
―その後―
「オレの親父が今からここ来るぜ。何でも、木材たくさん持ってくるんだって!」
「ナイスだよ裕斗!じゃあ、僕たちも全力で手伝って少しでも早く完成させよう!」
それから僕らはしばらく待った。すると、数分後に下の方からトラックの音がした。
トラックの音が消えたと思ったら、今度は台車のローラーがカラカラと音をたててこちらに来ていた。
「二人とも秘密基地を作るんだってね。だったらさ、ちゃんと寝泊まりとかまで出来ちゃうようなものにしようぜ!」
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