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それから僕らはダンボールを協力して全部外して、ダンボールが置いてあった場所に木の板を何枚か並べた。
一枚がすごく大きくて、僕ら二人で支えるのがやっとなくらいだった。
五、六枚くらい並べたところでさっきと同じような状態になった。
「懐かしいな…おじさんも一輝くんくらいの時に、好きな女の子とずっと一緒にいたいって思って秘密基地を作ったことがあるんだ。当時は協力してくれるやつが少なくて大変だったけどな。」
「そうだったんですか…僕らはただ単に秘密基地を作って一つの思い出にしたかったなぁ…って感じですけど。」
「なるほど…それにしてもここ、本当に秘密基地を作るにはもってこいの場所だねぇ。人目につきにくいのは事実みたいだ。」
「ほ、本当ですか?」
「もちろんだとも。こんな場所、おじさんだったら到底見つけられなかっただろうな。」
僕たちはそのまませっせと作業を続けた。今日は朝早くから集まったこともあって、時間には余裕があるんじゃないかって思った。
けど、僕らが掘っ立て小屋に近い形に仕上げる頃にはすっかり昼過ぎになってしまっていた。
「二人とも悪いね…これから仕事だから、あとの作業は君たちでやってくれ。材料とやり方が書いてある紙は置いてくからさ。」
「「はーい!」」
こうして裕斗の父さんは仕事へ戻っちゃったけど、僕らは基地作りを続行することにした。その前にまずは腹ごしらえだ。
今日は事前に近くのコンビニでおにぎりを二つほど買ってあったから、それを昼食にした。
「あとは外っ側に木の板を張り付けるだけか…もうひと踏ん張りってところだな!」
「そうだね…早く完成させてゆっくりしたいね!」
昼食をパパっと済ませた僕らはさっきとほぼ変わらないペースで作業し始めた。もう何をどうすればいいのかはほとんど頭に入ってるから、あとはそれをひたすら実行するだけだ!
―夕方―
「はぁ………終わったぁ。」
「なっかなかハードだったね、一輝くん。疲れてない?」
「そっちこそ大丈夫?」
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