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「でもさ……ついにできたじゃん。僕らの…僕らだけのオリジナルの秘密基地!」
「おうよ……けど、こんな作業はしばらくはごめんだな、ハハッ。」
僕ら二人は基地を完成させるために全力を出したぶん、それだけ体力を使いすぎちゃったみたい。
「もう少し休んだら帰ろっか……」
「そ、そうだな。あんまり遅ぇと母さん心配するだろうし。」
―翌日、2-2教室―
ふぁぁあ…今日は最悪だ。何でかって?そんなの決まってるじゃないか…日直なんだ、今日一日は。
家からそこそこ距離あるのに、わざわざ早く来ないといけないし…作文じゃないけど、それっぽいことを日誌に書かなきゃいけないし…本当に最悪だ。
「どうしたの、一輝くん。何だかいつにもまして元気がないみたいだけど……?」
えぇっ、なんでリリスちゃんがここに…って聞きたい気持ちは山々だけど、きっと本をゆっくり読みたかったんじゃないかなって思う。
「えっと…別にこれは体調が悪いとかそういうんじゃなくて、日直なのがすごく嫌だなぁって思ってたんだ。」
「日直の仕事ってどんなことがあるのか教えてくれる?」
「いいよ…日直っていう仕事は“今日一日自分のクラスがどんな感じで授業を受けてたのか”っていうのをこの日直日誌に書かなきゃいけないんだ。」
「何だかすごく大変そうな仕事ね。何か私にも手伝わせてほしいな。一輝くん一人でやるのは可哀想だよ。」
僕はとりあえず、昨日の日直が消し忘れた黒板をきれいにしたいからって理由で黒板消しを渋々お願いした。
なんでかは全くわからないけど、とにかく今はこの仕事をどんな手を使ってでも楽に終わらせたいからなぁ…
不真面目だとか思われるよね…まぁ、日直の仕事で体が壊れても大丈夫だといいな。
「じゃあ、僕と一緒に黒板の文字を消してほしいんだ。昨日の人が消さずに帰っちゃってたからさ。」
「うん、分かったわ。二人の方が楽そうだし、早く終わりそうだし、何より楽しそう!」
「本当にありがと、リリスちゃん!」
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