プロローグ3 秘密基地ともう一つの世界

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―その頃、臨海市統合管轄ネットワーク管理局Nexus(ネクサス)― 「frees、cansそして…SPHERE…彼らは可能性について追求しすぎなんだよ。夢ばかり見ているから足をすくわれ、地に落ちたんだよ…君たちは。」 白髪混じりの四十代前半の男性…Nexusの中央局長の溝上(みぞがみ)は目の前のガラスケースに目をやった。 そこに置いてあったのは、まだこの時は初期モデルだった次世代ゲーム機〈リンクゲート〉だった。 〈ただ仮想世界にダイブするだけのゲーム機ではない〉というキャッチコピーで販売する予定らしい。 「桑部(くわべ)くん、リンクゲートに搭載してくれと頼んだ“例の機能”はどうかね?」 眼鏡をかけた気だるそうな雰囲気の青年…桑部真介は電脳科学研究所での優秀さを評価され、この春からNexusのメンバーとして仕事についていた。 「順調ですよ、溝上さん。このままのペースなら、予定通り今週中にテストができますよ!」 「そうか…それは良かった。」 人間はSFをSFで終わらせてしまっている。だが、私は信じているんだ。いつか人間はSFに出てくるもののほとんどを実現させられるってね。 私はそのパイオニアになりたいんだよ。そのためにも……“臨海市の子供たち”には協力してほしい。 特に…最近この街にやって来たという少女…リリスには。 ―放課後、通学路― 「な、なんで私目隠しされてるの?ひどいことするの?」 「しないしない…ちょっと見てほしいものがあるから、それまでは何も見ないでほしいなぁ…って思ったんだ。」 「お前さぁ…なんで女の子を連れていこうなんて言ったんだよ?ってか、お前仲良いならお前が呼べばよかったろ!」 「僕今日日直だったからみんなより帰るの遅いじゃん?それでもし先に帰られちゃったら嫌だからね。」 先に『見せたいものがあるから帰らずに待っててほしいな』って声かければそれで良かったって話じゃんか。 とか思っているうちに、オレたちは見せたいもの…秘密基地に着いた。
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