プロローグ3 秘密基地ともう一つの世界

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―秘密基地― 僕はリリスちゃんの目隠しをとってあげた。 「うわぁ…すごい…もしかして、これを見せたかったの?」 「うん、そうだよ!これが僕と裕斗と…リリスちゃんの秘密基地だよ!」 「ひみつ……きち?何、それ?家じゃないの?」 「秘密基地ってのは、読んで字のごとく、誰にも秘密の場所に作った基地のこと!基地と言っても何をしたっていいんだ!」 「本当はまだここから色々飾りつけとかしたかったんだけどね…夏までにリリスちゃんに見せたくてさ。」 「私もって言ってたけど…よかったの?二人で作ったんでしょ?なら…二人のものじゃ?」 「秘密基地は作った人に関わらず、作った人が誘いをかけた人なら誰でもOKなんだよ!だから、ここはリリスちゃんの秘密基地でもあるんだ!」 僕は右手でVサインを作って、思いっきり笑ってみせた。 「二人とも……ありがとう!」 リリスちゃんは何でかは分からなかったけど、少しだけ涙を流しながらお礼を言ってくれた。 「実に素晴らしいじゃないですか。流石は“姫を呼ぶ新たな光”を秘めた少年だ…」 僕の目線の先にいたのは黒いスーツ姿の男性だった。観るからに怪しすぎる人だった。 「アンタ何者だよ!どうしてここが分かったんだよ!何が目的だよ!」 ふと、リリスちゃんの方に目をやると…どこかで見たことがあるって感じと、それでいてかなり怯えて真っ青になっていた。 「私の目的は君たちを夢の世界へと案内すること。そして…リリス嬢の奪還です。彼女は元々私の屋敷で暮らしていたはずだ…さぁ、帰りましょう、リリス嬢!」 「嫌です…絶対帰りたくありません!私はまだ一輝くんたちとたくさん喋れてません!それに…もっとお友だちが欲しいんです!」 あんなに必死になって叫ぶってことは…きっと、リリスちゃんはここに来るずっと前からこの人と何かあったんだ! 「わがままなことを言わないでくれますか、お嬢様。私の研究はもうすぐで完成されようとしているのだ…」 研究………何のことだよ? ~プロローグ3 秘密基地ともう一つの世界 終~
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