プロローグ4 その世界、未知にして無限大

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プロローグ4 その世界、未知にして無限大

「おっと……自己紹介がまだでしたね。私は溝上…臨海市電脳ネットワーク管轄組織Nexusの中央区の長である者です。以後、お見知り置きを。」 「まだあんな研究をしてたの…溝上さん。あの計画は白紙にするんじゃなかったんですか?」 私、知ってる…この人が、私たちを使ってすごく危険な実験をしようとしてることを。 「まったく…科学者である以上、探求心のままに行動するのはあなたも知っているでしょう?私はね…“夢のような世界を夢で終わらせない”研究をしているのです。あなたたち子供はとても純粋だ…一時抱いた夢が生涯の夢と成りうることもある。ならば私は、そんな彼らの夢を長続きさせてあげたいと思ってね。」 夢を夢で終わらせない……すごく響きはいい感じだけど、この人が言うと何だかすごく不安だ。 「さてと、話はこの辺にしましょうか。私は今、街の子供たちにこれを配っていましてね…」 溝上さんはかなり大きなケースを開けて、フルダイブマシンのようなものを取り出した。 「何ですか……それ?」 「リンクゲート……夢を夢で終わらせない、私の研究の結晶体ですよ、少年。もっともこれは初期モデルでしてね…ちょっとした細工がしてあるんですよ。」 その時、僕の体を雷が落ちたような感覚が襲った。そして、それと同時にこれまで以上の不安さのあまり、体が完璧に固まってしまった。 「つまり、お前はオレたちを使ってお前の研究成果をみたいってことでしょ!?なんでオレたち子供だけなんだよ!」 固まって動けない僕の横で、裕斗が至極もっともなことを口にした。 「私の実験には、純粋な子供の心が必要不可欠なのですよ…ですから、こうして私自らが動いているのですよ…」 「二人とも、逃げて!それを着けられたらおしまいよ!」 おしまいって何だよ……それだけじゃ分からないじゃないか! 「フフ、私から着けるなどということはしませんよ。これは私からのプレゼントなのですから…」
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