プロローグ4 その世界、未知にして無限大

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いや、待てよ……人間は大小様々なサイズの者が存在するんだ。つまりは…… 「ねえ、影夜。本当にそれは不可能って言い切れる話かな?オレ、そうは思わないんだ…ううん、思えないんだ。」 「何か証拠でもあんのか?」 「証拠も何も…簡単な話じゃないか。オレたち人間は、誰だって背の高い人と低い人…太ってる人と痩せてる人、簡単に分けてもこれだけの違いがあるでしょ?もし仮にリンクゲートから発せられる何かでオレらがオレらの体ごと仮想世界へ飛ばされるってなったとしてもリンクゲートの特性でどうにかできちゃうんじゃないかな?」 自分でも思ったけど、全然納得できないよねこの考え方! 「そうか…リンクゲートと言えど、フルダイブマシンである以上はスキャンが発生するはずだ。その時に俺たちの脳波だけでなく、全身にスキャンをかければ…後はそれに合わせてマシン側が何らかの調整をすれば…」 「擬似的な異世界転移ができるっちゅうことやな?」 「あぁ…だが、あの大きさでそんなことができるのか…どう見たってあれはつい最近出回ったスフィアゲートとか言うハードと同じくらいしか出力できねぇだろ。」 影夜は言うことが違うなぁ……確かに、あぁは言ってみたけど、あんなミニサイズのハードでそんな大掛かりな芸当ができるのかな? 今更ながらさっきの発言といい、その時のオレの自信に満ち溢れた顔といい、すごく恥ずかしくなってきた。 「あ……あのぅ、スフィアゲートと原型は同じですが、きっと、中の構造や内蔵バッテリーに工夫が凝らされてるんじゃ…ないかなって。」 オレたち男勢四人が揃いに揃って頭を抱えて考える中で、ものすごくまとまった答えをさらった言ったのは普段ほとんどしゃべることのない時雨だった。 「シグ…言われてみればそうかもしれねぇが、だとしてもスキャン時の放熱をどうするかって話になるぜ?」 確かに。オレたちが仮想世界へダイブするとき、こっちで覚えてる最後の記憶はほとんど頭が温かくなることだ。 でも、それはスキャン時に起こる熱によるものだ。
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