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というか、スフィアゲートのサイズで全身のスキャンなんてしたらほぼ確定でオーバーヒートを起こすレベルだぞ。それも…一回の放排熱だけで抑え込めるようなレベルじゃない……まさか!?
「影夜……世の中で出回ってる異世界系のラノベって大抵は転生や転移といえども一方通行じゃん?リンクゲートもそれと同じことになるんじゃないかなって思ったんだけど?
確かに…現在の異世界系のラノベは大抵、元いた世界へ戻ってくるという展開自体が珍しいからな…ということは、リンクゲートは起動したら最後……閉じ込められる可能性もありえるか。
―その頃、一輝の家、彼の部屋―
僕らはあれからしばらくして、溝上さんはリンクゲートを渡して少し話したあとすぐにその場を去ってくれた。
とはいえ、これがどんなゲーム機なのか……この時の僕はまだこのゲーム機の“隠された牙”にすら気付いてなかったんだ。
そしてこのあと僕は知ることになる…リリスちゃんがあんなに必死になって止めようとするくらい、僕らにとって極めて危険すぎる〈実験〉の最終フェーズ…
これから僕らはどうなっていくんだろう?
僕は明日……というか、僕の未来はどうなってしまうのかという不安で胸がいっぱいになり、浅い眠りのまま朝を迎えることになった。
これが、僕がこの世界…臨海市での現時点最後の夜だった。
―謎の空間―
僕は気がつくと、見たことのない場所にある椅子に座っていた。辺りを見渡しても全てが真っ黒なこの場所は一体何処なんだろう。
夢にしてはどこか現実味がありすぎるような気がした。小学生の僕でもすぐに答えが出せた…ここはもう臨海市じゃないってことに気づいた。
そして僕の目の前には白い髪に透き通るような紫の瞳を持った神秘的な雰囲気を纏った少女が僕が座ってるのと同じ椅子に座っていた。
「あ、あの……ここってどこなんですか?僕はまだ生きてますよね?もし分かるんだったら今すぐ教えてほしいです!」
「……ごめんなさい、私にも分からないの。けど、天国じゃないことは確かよ。」
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