プロローグ4 その世界、未知にして無限大

5/5
前へ
/80ページ
次へ
ここが天国じゃないって言うなら…じゃあ一体ここはどんな場所なんだろう?辺りが黒いから、地獄?だけど、本に書いてある地獄とは雰囲気からかけ離れてるような気がするし…… 「ここは……〈メビウスワールド〉の天空にある〈招来の祭壇〉なのかもしれませんね。ごめんなさい、あくまで予想なので何とも言えませんが…」 「〈メビウスワールド〉………?一体何なんですか、そこは。それに〈招来の祭壇〉ってことは…君か誰かが僕を呼び出したって言うのか?」 「わ、私が呼びました。というか、私の主様だったお方がここに呼ぶようにって命じられたもので…」 「どうして僕が呼ばれたんですか?僕以外にも貴方の役に立てそうな人はいくらでもいるじゃないですか!」 僕が呼ばれてきた存在なら…きっと僕以外にも呼ばれてきた人はいくらでもいるはずだ…なのに、どうして僕を選んだのか分からないよ… 『いきなり呼び出して…すまかったね、少年。怖い思いをさせてしまったのなら…この場を借りて謝りたい。…すまなかった!』 奥の方から今にも消えてしまいそうな光が二人の方へとやって来た。 やがてその光は一人の青年の姿へと変化した。 『私はノア……この町を管理する者だ…そして、過去に君の先輩方と共に剣を取って真の正義を探し続けた者だ。』 ノアと名乗った人は、全身がうっすらと透き通っていた。…まるで今にも消えてしまいそうな感じで、弱々しく光っていた。 「あの…どうして僕が呼ばれたんですか?僕じゃなくても強い人はいるはずだよ!」 『私が君をここに呼んだのは、人としての“大切な要素”を見極めたかったからだ。勝手な真似をしてすまないとは思っている。』 「人としての“大切な要素”………単純に強いだけじゃダメなんですか?」 『人であるというのなら、“誰かを思い、動ける”という素晴らしいことができるはずです。そして君はそれを果たしたんだ…あの秘密基地を使ってね。』 この人が何を言いたいのか、自分でもすぐにわかったような気がした。 ~プロローグ4 その世界、未知にして無限大 終~
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加