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「た、頼む…今まで俺らがしてきたことは全部謝るから…罪を軽くしてくれぇぇ!」
緑のリーゼント頭は陽輝の足元にしがみついておいおい泣き叫んで懇願してきた。
「う~ん……反省するっていうなら少しだけ罪を軽くするように文面を書いてあげるけど…どうする?」
「分かったぁ、反省するよ!二度とこんな真似はしねぇってアンタらに誓うよ!」
……結局、あのあとすぐに他のエリアにいたという彼らの仲間たちはそそくさと引き上げて全員まとめて僕らを含むサイバーポリスに自首したんだ。
「なぁ、陽輝…さっき戦ったあの連中が言ってたこと覚えてるか?」
「あ、あぁ…確か次に出るゲーム機に何か仕掛けがあるとかどうとか……それがどうかしたの?」
「……さっきから妙な胸騒ぎがおさまらないんだ。まるで、仮想世界だけに存在するこの体がリアルのオレたちに警告しているような気がするんだ……」
「敵も片付け終わったことだし、僕らも切り上げようか。」
「そうだな……オレらはこれ以上この世界に過度に干渉する必要は無くなったんだ。ゆっくり休もうぜ。」
こうして僕たちはログアウトして、各々帰路についた。
……事件はこの後すぐに起きた。何の予兆もなくして。
―陽輝の家―
「あっ、陽くんおかえりなさい!ご飯できてるけどまだ仕事の片付けとかある感じ?」
「あ、うん…今日はこれまで以上にターゲットと接触できたからね。上層部への報告の一つくらいしないとね。」
玄関で僕を出迎えてくれたこの女の人は僕の幼なじみの胡乃葉。
去年から一人暮らしを始めた僕にとってはとても心強い味方なんだ。
―その後―
「それは良かったじゃない!でも、まだ首謀者が見つからないのは確かにスッキリしないわね。」
「けど、結果的に向こうを刺激することができたんだし…ここから先は気長に待つことにしようって馬宙と約束してきたよ。」
「そっか……じゃあ、ゆっくりできるね!」
「うん…やっと一息付けそうだよ。」
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