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青い海は虚無だ
俺たちを熱くする
スペクトルの全てが飲み込まれていく
お前の命も海に逝け
バイクの爆音は海に逝け
太陽と一緒に海に逝け
彼はそう叫んだ
こちらの海では太陽が殺される
あちらの海では太陽が再生する
私は彼の背中に叫ぶ
私が死んだら、泣かないで
お前の命も海に逝け
私が生きかえったら、喜んで
お前の命も海に逝け
彼は生死の客観を行く
ルート402は海を行く
太陽は海に逝く
私が望んだ赤い海は隣りにある
バイクを止めてと先ほどから言っているの
彼は構わずスピードを出している
どこにいくの?
どこでもない所に
今、彼と私は、海の上にいる
どこでもない所に
音にならない音とともに
海へと落ちていく
泡、泡、天に昇る
このまま、落ちてもいいわ
バイクと、彼と
そう思ったのに、彼は私を抱き
上に行こうとしている
青い海は虚無なのでしょう?
戻りたくはないわ
ほら、ここは真っ暗闇の海
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