01.転校生・天宮時空

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ガラッ。 2-Aの引き戸が開く。 『転校生』が、凍えた空間を意に介さず教壇に向かい歩いて来る。 耳を澄ませば、足元からパキパキという霜を踏む音が聞こえそうだ。 中性的な美貌の持ち主だが、学ランを着ていることで男子生徒だということが分かる。 天宮時空――。 流麗な縦書きで黒板に白いチョークで書き、クラスメイトを振り返る。 チョークなんて何校ぶりだろうか? そう想いながら。 「天宮(あまみや)時空(じくう)です。から転校してきました。宜しくお願いします」 自己紹介を終えると、軽く頭を下げる。 再び、ざわつく2-A。 身長はそれ程高くはない。 スリムだが、華奢でもない。 女性の様に長い睫毛と整った顔のパーツ。 色白の肌。黒髪は、決して長髪ではないが、男子にしては長い方だ。 ……この世界でもという意味だが。
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