風俗嬢と友達ルール

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風俗嬢と友達ルール

れなこの仕事が終わるまで昨日の店で待った。 といっても、時間一杯れなこの時間を俺が買ってしまったため、帰り支度をするまでのちょっとの間だけだったが。 「お待たせ。ほんとにびっくりしたよ。衣装がナースで夜這いコースを選んでたし。4時間指名って、どんだけ変態が来るのかと思ってドキドキしてた(笑)」 店の中と違って昨日と同じテンションでれなこが話し始めた。どこか清々しい感じがした。 「ロマンチックだったでしょ」 「まーねー。お陰でお店やめてきちゃった(笑)」 「え?」 今度は俺の目が見開く。 「だって、嫌でしょ?」 「そりゃ、嫌だけど・・・」 彼女の事情を知っていただけに、その決断に胸が痛んだ。 「大丈夫。リュウがいれば昼の仕事も多分頑張れると思うし」 「そっか・・・」 「それにしてもさ、辞めるって言ったらスタッフの人が「やっぱり」って言ってた。初めにリュウが4時間指名した時に彼氏なんじゃないかって疑ってたんだって」 「引き止められなかったの?」 「一応は止められたけど、仕方ないって感じ。入店して1ヶ月くらいだったしね。彼氏と別れたらまた戻っておいでって言われた(笑)」 「じゃあ、一生戻らなくていいね」 「だといいけど(笑)」 れなこの笑顔がすごく嬉しかった。 特に無条件で喜んでくれたことが。 昨日会ったばかりなのに不思議な感じがした。 ああ、運命の相手ってこういうことなのかなと。 俺がれなこのところに行くと決心した時に決めたルールが2つある。 一つ目は彼女が大学に受かるまで、絶対に彼女に別れを告げないこと。 あの日以来、連絡も取っていなくて会ってもいなかったけど、多分、俺を信じて一人頑張っている彼女に、この最悪の結果を最悪のタイミングで告げないことが自分の犯した罪へのけじめだと思っていた。 もう一つは、彼女と別れるまで、れなこには一切手を出さないこと。 本当は会わないと決めたかったけれど、自分のエゴをそこまでれなこに押し付けることはできなかった。 けれど、一緒にいてもそういうことをしない。 あくまで彼女と別れるまではれなことは友達でいることが唯一できる線引きだと思った。 この二つのルールをれなこも了承してくれた。 「2つ目は破らせる自信あるけどね(笑)」というのがれなこの主張で、ことあるごとに「ホテル行こっか(笑)」と誘われたけれど、そこはれなこも十分分かっていて、本当に強引に誘われることはなく、二人のお約束的なネタになっていた。 こうして、俺とれなこのルール付きの付き合いは始まった。 そして同時に、俺とれなこの闘病生活が始まった。
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