自分を傷付ける、心理。②

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自分を傷付ける、心理。②

 さて、前回は自傷行為に及ぶ人々の心理を、経験者の立場から書かせていただきました。 「心理は解ったけど、じゃあどうしたらやめさせられるの〜?」  それはですね。  本人の気付きがいちばん大切。  コレに尽きます。  彼らは『愛して欲しい(=愛されてない)』という気持ちで、自傷行為という名のSOSを発してるわけです。  そこを上手に満たしてあげて、心の扉を少しずつ開いて行ければいいのですが、彼らの心の扉は固く重いです。  繰り返し、時には昼夜を問わず、自傷行為で相手を試します。  そんな彼らに振り回される周囲の人々は、疲れてしまいますね。  疲れきって、掴んでいた手を離してしまいたくなるでしょう。  実際、手を離したという人も、いるでしょう。  何しろ彼らは昼夜を問わず、ですから。 「もう、どうしたらいいのか解らない…」  そんな気持ちを抱えて、周囲の人まで病んでしまうこともあります。  そうなっては本末転倒ですよね。  では、どうするか。  自傷行為に過剰な反応をしなければいいのですよ。 「やっぱり見放すの〜?」  いえ、見放すのではないです。  こんな話をしましょう。  私がまだ現役バリバリのメンヘラだった頃、自傷行為で彼氏を試したことがあります。  一人目、二人目の彼には、見放されました。  当然のことですし、今なら去って行くのも仕方ないと理解できます。  ですが、当時の私は「見捨てられた」という気持ちでいっぱいで、次にできた彼氏のことも、同じように試したのです。 (ああいうことをすると、去って行くんだ)  と学習できずに、試すことでしか愛情を確認できなかったんですね。  その彼は一人暮らしで、生計を立てるためバイトを掛け持ちしておりまして。  仕事を持ち帰ることも多く、夜遅くまでカッターを使った作業をしていました。  深夜に、カッター。  そのシチュエーションで試さないわけがなく、彼がちょっと目を離した隙に、そのカッターで手首を切ったのですよ。  するとですね、彼は予想外の反応をしたのです。 「あっ!俺の大事な仕事道具を血で汚すなよ!」  私の心配ではなく、真っ先にカッターを汚されたことに怒ったんですね。  そしてカッターを取り上げ、私の手首の傷を確認し、ためらい傷程度だと判ると救急箱を出してきまして、 「自分で手当てできるよね?」  そう言って、作業に戻ったのでした…。  周囲がオロオロするのに慣れきっていた私は、ポカーン、でしたよ。  そこから徐々に、自分を傷付けるということは、減りました。  もちろん、これをそっくり真似ろと申し上げているのではなく。  自傷行為に対して過剰な反応はせず、でも「あなたのことはちゃんと気にしてますよ、大事に思ってますよ」という接し方がベターだということですね。  参考になりましたら、幸いです。
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