伏線未回収

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この作家は、ホラー小説ばかり書いているが、なかなか凝った物語を創り上げてくれるので好きだ。 どの作品が良いとかではなく、この作家が好きなのだ。いや、『好き』というより、『惚れる』という表現の方が、しっくり来る。 どれどれ、今回は──?? ほう…昭和時代を舞台にした、渋い内容だ。 時効直前の連続猟奇殺人事件を追う、中年刑事が主人公とは、なかなかマニアックじゃないか。 『時効』という言葉自体が、もう懐かしい。 暗く重苦しい雰囲気。次々に登場人物が殺され、あちらこちらに、犯人を匂わす伏線を張り巡らせている。 『鍵の開かない隠し部屋』とか、『叔母の位牌に遺された指紋』とか、『井戸から見付かったカメラ』とか…如何にも怪し気なフラグがいっぱいだ。 これらが、どんな風に事件の真相と絡んでいるのか…最初から興味を唆られる。
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