一念発起

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一念発起

最近、俺は小説を書き始めた。 沢山の作家、沢山の作品に触れてきたが、どうも俺好みの展開にならない。書き出しは良くても、途中で中弛(なかだる)みし、最後には失速してしまう。 どうにも、読後感が弱いのだ。 俺がレビューという名の慈善事業を行っているのは、結局、自分好みの小説に出会えていないからなのだと気が付いてしまった。  無いのなら、自分で書けば良い。 非常にシンプルな結論だ。 どんな作風がウケるか、どんなジャンルが人気があるか、どんな展開が好まれるか──俺は、全て知っている。 読み手に忖度(そんたく)する様な内容のものから、マニアが喜ぶコアな小説まで、どんな分野でも書けるだろう。 何故なら、俺は今まで、それ等を含む多くの代表作品を読み、書評して来たのだから。
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