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でもこれはダイイングメッセージだ。
ダイイングメッセージとはミステリー小説によく出てくる謎を演出するアイテムの一つで、死にゆく人が死の間際に残した手紙のことだ。
この文章はまさしくダイイング=死にゆく メッセージ=手紙でもある。
文章は鉛筆で書かれていた。
シャープペンシルで書いたような文字の細さや薄さはこの筆跡には感じられない。
少し斜めだけどとても読みやすい綺麗な字で、女性特有のくせ字のように見えた。
「…死に際の苦しい時に、こんなちゃんとした文は絶対に書けない」
僕は死んだことはないけど、これは絶対に違うと思った。
これを書いた人は死にゆく中で書いてはいない。
この文の前半部は、神とか魔王とかそんなのがこの世にあらわれない限り、ありえない話でつくりものの話だ。
これは本人か、もしくは本人の名前を語る誰かが作った物語なのだ。
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