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サッカーを辞めてからは、僕が壱を毎日散歩に連れて行った。
サッカー部から散歩部になってつくづく思ったことがある。
この部の圧倒的にダメなところは、活動を報告し合う仲間がいないこと。
「さて、行くか」
誰に向けてでもなく、口をついた。
「これは壱に言ったのさ」
自分で自分に言い訳してみた。
外に出ると、いくらかひんやりとした夕方の大気が僕らをつつんだ。
「そりゃね。もう十月なんだから」
でもまだやっぱり半袖の日差しで、だから羽織るものはいらないやと僕は思った。
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