公園にて

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公園にて

 公園が見えてくると、壱のスピードがグンと上がった。  持っていたリードがピンとなって、僕は前に前にグイグイと引っ張られていく。  「壱! 壱! どうしたの!?」  そんなに公園に行きたいのかい? なんかあるのか?   「なんだなんだ!?」  リードから壱の強いパワーが伝わってくる。  「魔界の入り口はすぐそこかい?」  そう思うと、ちょっとワクワクしてきた。  壱はそんな僕にはお構いなしで、今度は公園の入り口にある椿(つばき)の生垣の下をクンクンしている。  「壱?」  そしてまた、グンっとリードが引っ張られ、今度は砂場の向こう側の生垣へ向かった。  「なんか探してるのかい?」  なんかそんな感じだ。  
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