第1章

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このまま引き下がるという手もある。真っ暗な画面を見つめながら晩酌をする、という。これが、ただ毎週楽しみにしているだけのドラマだったら、そうしていただろう。 だが今回は違う!このドラマは、同僚のサエちゃんも観てるんだ!もし今引き下がったりなんかしたら、明日サエちゃんと会話するチャンスがなくなってしまうではないか!やっと掴めた共有の話題なんだぞ! 俺に退路などないのだ。 俺は口をつけただけのビールを冷蔵庫に戻し、小銭入れを片手にサンダルを足に引っ掛けた。 単三電池12本セットがこれほど憎たらしく思えた日はない。お前らのためだけに俺は、風呂にも入ったのにわざわざコンビニまで出向くハメになったんだ。勘違いするなよ、お前らは生活必需品じゃないからな。トイレットペーパーとかと肩を並べたと思うなよ。たまたま退っ引きならない事情があったから、わざわざ買いに行っただけなんだからな。普段だったら次の日会社に行くついでに買うからな。なんなら朝起きたら忘れてて5日後とかにようやく買いに行ったりするからな。思い上がるのも大概にしろよ。

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