隼の恋文

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 この手紙を書く時間が少なく、短文だけどごめんなさい。  私は今、横須賀にいます。これから日本を発ちます。USA軍の空母で乗り慣れた戦闘機も一緒です。少なくとも3ヶ月は日本に帰ってこれないかもしれません。  世界を救うという使命が課せられた今、私はひとりの戦士として命を投げ出す覚悟が出来ています。もしかしたら、生きては帰れないかもしれません。更にあなたを苦しめるかもしれません。そんなつもりはないけど、もしそうなってしまったら、前もって言います。ごめんなさい。あなたが身体を激しく悪くして自由な行動がとれず不安のどん底にいるに傍にいてあげれず、私はもどかしい気持ちがいっぱいです。  とにかく、これだけは言わせてください。私は常に、あなたの事を想ってます。空母の中でも、どこかの上空でも、どんな時も。必ず生きて帰ります。絶対に。絶対に!  1954年 12月6日
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