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「課長、ほんとにインポなんですか?」
「い、いつもはこんなんじゃ……さっきだって……」
黒田はうろたえるが、雨宮に玉袋をもてあそばれ、ひっと声を震わせる。硬さはさらに増していた。
「きっ、君が変なことするから……ッ」
両手を後ろで縛られてワイシャツをはだけられ、ズボンを膝までずらされて身動きの取れない男が、自身を勃たせて恥辱に涙を浮かべている。
ああそういうこと、と黒田の本質を見抜き、雨宮は笑みを浮かべた。
「課長、マゾなんだ」
「……マゾ?」
「そ。虐められると勃起する、かわいい男のこと」
「なっ……」
黒田の顔が、かぁっと真っ赤に染まった。
「ち、違うっ。そんな変な趣味は……」
「変じゃないですよ。今時Mなんて普通です」
虐められないと勃たないところまでくると、かなり重傷だけどね。
「違う、本当に違うんだっ。大体、虐められて嬉しいわけが……っ」
「恥ずかしがらなくていいですよ。よかったですね。課長はインポじゃなくて、マゾです」
その方が余計に普通の女を相手にできないけどね。インポは治るけど、マゾは治らないから。
違うと必死に否定しようとする黒田が、蜘蛛の糸に引っかかった虫のようにいじらしかった。もがけばもがくほど糸に絡め取られていく姿が、雨宮の嗜虐心をくすぐってやまない。
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