13 俺のために七十パーセントマゾでいてください(最終話)

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 店から出て三分後、雨宮は店の向かいのラブホに突入し、黒田をベッドに押し倒していた。 「あ、雨宮?」  黒田は若干ついていけていないようだが、そんなことは気にしない。 「さっき店で言ったことは全部嘘です。課長が心変わりしたのかと思っていじけてただけで、俺は課長に本気で惚れています」 「そっ……そう……」  さらに雨宮が黒田の腹の上に乗っかってベストポジションが完成する。 「俺の言い訳は終わりましたので、今度は課長が話してください」 「いや、もちろん話す、話すが、この体勢はちょっ……ってなんで服を脱がすんだっ!」  雨宮の手はするりと黒田のネクタイを抜き取り、ぷちぷちとワイシャツのボタンを外していく。 「するからに決まってるじゃないですか」 「そっ、それはいいんだが、それなら話した後に……」 「どっちも待てないんで同時にしましょう」 「んな無茶なっ」  黒田の反論を無視してアンダーシャツをたくし上げ、胸の突起をいじりながら雨宮は尋問を開始した。 「日曜日、若月さんと水族館にいましたよね」 「えっ……ああ、そうだが、なぜそれを……」  雨宮が胸の粒に爪を立ててさりげなく怒りを表現すると、黒田はびくっと体を震わせた。 「か、彼女に婚約解消の話をしたというのは言っただろ。そうしたら以前から約束していた水族館に連れていってくれれば別れると言うから……」  ……そんだけ?
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