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「ほんとに違……ッ」
雨宮は笑って、黒田の口に指を突っ込んで黙らせる。
「ぐっ……う……」
「課長は縛られるのが好きなんでしょ? それじゃ、その素直じゃない口も縛っちゃおうかな」
さっきほどかれた自身のネクタイで口を縛られ、黒田はしゃべる自由さえ奪われる。ここまで屈辱にさらされても悲しいまでに勃起したままのそこに、雨宮は易々と触れた。
「もうかちかちですね。でも、これからもっとすごくしてあげますから」
雨宮は艶めかしく笑ってベッド脇に置かれていたローションを取り、張り詰めたそれにたっぷりと塗る。そして手のひらを先端に当て、円を描くようにくるくると動かす。
「……ッ!」
しばらくすると、黒田がびくっと腰を跳ねさせた。
やることは地味だが効果は絶大なのが亀頭責めである。男が一番感じる部分を責めるのだからやられた方はたまったものではない上に、竿は刺激しないのでなかなか達くことができない。別名地獄車とも言うこの技は、雨宮が店でもっとも得意としていたものだ。
「ん……んん……う……ッ」
黒田はあまりの刺激に体をよじらせ逃げようとするが、逃がすはずがない。雨宮は黒田の太ももの上に乗っかって動けなくして、ソフトに執拗に責め立てる。
「ん……ぐっ……んぅッ」
黒田の口をふさいだネクタイが唾液を吸って染みになっていく。首を何度も横に振り、やめてくれと涙をためて懇願する黒田にぞくぞくくる。
そんなことしても無駄なのに。否定するフリをしたって、黒田の目にははっきりと欲情の色が浮かんでいるのに。
「達きたい?」
「……」
達きたいに決まっているだろうが、恥ずかしさの方が勝ったのか黒田は頷かなかった。
だがそれこそが、雨宮の思うつぼだ。
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