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異国の地へ
俺は二十七歳。会社員。
数年前に発展途上国に飛んで、橋を作ったり、
井戸を掘ったりする会社に就職した。
ボランティアじゃない事がよかった。
ちゃんと儲けがあって、仕事としてやるからこそ
責任をもって相手にも良いものが提供できるし、
持続的に相手の国に貢献できると信じているからだ。
・・なんて社長の受け売りだけどね。
依頼があれば、カンボジアだろうがアフリカだろうが、中国の山奥だろうが
俺らは出かけて行く。
社員は全部で四十人もいない小さな職場だが
実績と信頼はどんな大企業にだって負けない。
その代わり社員は、一年のほとんどが海外出張だ。
俺らも、今回は先輩二人と現地入りした。
干ばつと水害が交互に来るような、荒れた地に
綺麗な水をひくため、あちらの政府からの工事の依頼だった。
そこは聞いたこともないような場所だった。
一国の政府からの依頼があったにしても、
現地では受け入れられない事もよくあることだ。
俺らはともかく現地入りして、その土地の様子や村の様子を見て、
可能なら、できるだけ早く着工を進める。
どの依頼も速やかに、早急に必要な事だ。
基本俺らは、現地の人に知識を授け、現地の人達の力で事業を進めてもらう。
勿論俺らも出来る限りの手を貸す。
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