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「ーーそれでその日、放課後職員室に呼び出されて怒られたらしいんだよね」
「担任、松村だもんね。ハハ・・めんどくさそ。
真希も公に文句言えないだろうからこんな手紙入れて来たのかもね」
「はい、あげる」
里美は愛美にその手紙を無理やり渡すと、「やめてよ、気持ち悪いっ」と手紙を床に投げ捨てた。
「もうっ、私が呪われたらどうするのよっ」
「ハハハ、愛美信じてるの?」
里美は笑いながら手紙を拾うと、手で握りつぶしてゴミ箱に捨てた。
「陰気な嫌がらせよね。
たぶん、あたしの読みなんだけどさ。
あたしが真希に言いがかりつけるじゃん?でも証拠ないから今度は真希が被害者っぽくなるじゃん?それであたしを困らせよう作戦じゃないかなって」
「それズバリだね」
「ズバリ的中でしょ?
ということでこの手紙は無視決定っ」
「ーーハハ、何それ?里美殺したの真希だって言うの?」
「いや、そうじゃないけど、もしかしてその手紙の呪いじゃないかなって・・」
真剣に悩む表情の愛美に、圭子は吹き出すように声をあげて笑い出した。
「ハハハっ、そっち?
里美が真希に殺されたって話じゃなくて、まさかの呪い説?それはさすがにないでしょ」
「死に方は悲惨だったらしいけど、殺人だったら何かしら証拠とか出てるでしょ。それにさすがの真希もこの歳になって今さら殺人なんてしないでしょ」
圭子はミルクティーを音を立てて飲むと、コップを受け皿に置いた。
「そりゃあ、あたし達もアラサーだからね。中学時代のことをこの歳まで引きずって殺すとか無いだろうけど。
ハハっ、けど呪いの方がもっとないよ。それに呪いが効くの遅すぎでしょ」
「そうなんだけどさ・・。けど、内容が内容だったから・・。もし、呪いがあったらあたしも悲惨な死に方しちゃうのかなって・・」
『この手紙を受け取ったあなたは
必ず苦しい死に方をします。
助かりたければ
この手紙を別の人に
手渡してください。』
「・・確か、そんな内容だったと思うんだけど」
「でも、それなら里美は愛美に手渡してんだから呪われないはずでしょ?」
「確かに手渡されたけど、その後私が捨てた手紙を拾った後、ゴミ箱に捨ててるから」
「うーん・・、でもそれって拾っただけで受け取った訳じゃないでしょ?」
「そうだけど・・、どこかお祓いしてくれる所とかないかな・・。偶然かもしれないけど万が一を考えると・・」
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