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リビングで過ごしていたようにベッドでスマホを眺める里美。目を閉じてはしばらく時が経つとまたスマホを眺めることを繰り返していた。
すると、強い光が里美の目に入ってきた。
里美は目を細めてその光の元を探す。視線をずらせば視界は晴れる。
里美は光の元を手で隠しながらそこに近づく。クローゼットのある部分が強く光っている様子。横から眺めれば、中から来ているようだった。クローゼットの扉は光を通すような素材ではない。
「誰っ?何っ?」
そう言いながら扉を叩き、勢いよく開けた。何かある、誰かいるのかもしれないと思ったのか、同時に後ろに勢いよくさがる。
クローゼットを開けるとさっきの光は見えない。視線の先にも特に変わった様子はない。
だが、明らかに変わった光景を目にすることになる。
後ろに勢いよくさがった時に、記憶ではあるはずの無いものに当たった。
後ろを振り返ると、消えた光の先には女の姿。
無意識的に出るはずの声は里美からは発せられない。
動かない体。
女は里美の腕や足を強く握りしめ、ねじりちぎるように手足をもぎ取る。それも少しずつのため、その度ごとに経験したことのない激痛が走る。
先程の光の影響か、激痛でショックを受けることなく意識ははっきりとしたまま。呼吸が難しく、時々に長い息苦しさが里美を襲う。
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