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「そっちがドッペルゲンガーでしょ。」
「いやいや、そっちでしょ。」
ソレはどうやら自分がドッペルゲンガーだという自覚がないらしい。
オリジナルはどう考えても僕なのに。
厄介そうに頭を掻いている。
「あー、僕死ぬのかー。」
ソレは僕にそう言いながら苦笑いをした。
「は、なんで?」
「ドッペルゲンガーにあったら死ぬんでしょ。?」
「は、だから、僕はドッペルゲンガーじゃないし。それならどっちかというと僕が死ぬ側じゃん。」
「は、僕も違うし。お前が死んだら僕がドッペルゲンガーって事になっちゃってドッペルゲンガーっていう肩書きを背負ったまま生きてくことになっちゃうから勝手に死ぬなし。」
「いやいや、それを言うなら僕だって。お前が死んだら僕がドッペルゲンガーでしたっていうことになるからそんなん本気で無理だから。」
「それ今僕が言ったから。」
「あ、そう?。」
「ふははははははは。」
ソレは急に笑いながら陸橋から身を乗り出そうとした。
「ちょ、待て待て待て。」
僕は身を乗り出し自殺をしようとするドッペルゲンガーの服を掴み必死に止めた。
止めなかったら本当に飛び降りていたであろう勢いだった。
「なんでドッペルゲンガーが止めるんだよ。」
「いや、だから僕はドッペルゲンガーじゃないって。それはお前のほうだろ。」
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