自分

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僕達はひとまず落ち着いて深呼吸をした。 同じタイミングで。 肩を上下させる同じ動作で心を落ち着かせる。 さすがに偶然が続いてるだけで、実は全くの別人っていうパターンもあるんじゃないか?。たまたまお互いが勘違いしてるやつ。 「僕達はただ似ているだけなのかもしれない。」 ソレも同じことを考えていたらしく、疑問を呈した。 「ああ、そうだよな、全部一緒なんてことさすがにありえないだろ。趣味は?」 「ギター。」 あ、同じだ。 「まあ、ギターなんて結構被る趣味だよな。好きなスポーツは?」 「サッカー。」 「ああ、ごめんごめん、被りやすい質問ばっかりしてた。」 「ちゃんとしろよ。好きな匂いは?」 「コオロギの匂い。」 「一緒だ…。」 「嘘つけ!こんなん被るわけないだろ。」 …。 僕達は舐め回すようにお互いの全身を見た。 よく見ると、中途半端なリストカットの痕まで一緒だ。 もう一度、深呼吸をする。 ソレも深呼吸をした。 僕がポケットに入っていた飴を手のひらに出すと、ソレもポケットに入っていた飴を取り出した。 銘柄まで同じ。 「「…やっぱり、、ドッペルゲンガーだ…。」」 僕は左手でソレの右太腿を触ってみた。 「痛っ。」 やっぱり、右太腿を痛めてる。 同じだ。 「ドッペルゲンガーってそもそもここまで干渉できるものなの?喋ったり触ったりしてるけどさ。」 「それはこっちが聞きたいよ。」
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