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ゴウ、と頭上を飛行機が通過した。
低い位置で通過していく飛行機が気持ちよさそうに見えた。
雲や鳥も気持ちよさそうに自由に飛んでいる。
空はいいな、自由で。
風も気持ちがいい。
こんな気持ちになるんだから僕はやっぱりオリジナルだよなぁ。
とソレも考えているのだろうか。
僕と同じように空を見上げていた。
「なあ、仕方ないから僕がドッペルゲンガーってことにしてあげるからお前が死んでいいよ。」
ソレが僕に提案した。
頬を釣り上げた悪戯なソレの表情は、鏡では見たことがなかった。
「うーん、まあ、ありがたいけど、実は自分がドッペルゲンガーなんじゃないかなーって気もしてきたから別にお前が死んでもいいよ。」
「いやぁ、いいよいいよ、申し訳ないもんドッペルゲンガー背負って生きてもらうの。しんどいと思うよー。」
「しんどいのには慣れてるし、お前にしんどいのを押し付けるのは僕としても申し訳ないからさー。」
ガン!
と僕達は同時に陸橋の手すりを蹴った。
「「素直に死ねよ。」」
足が痛い。
多分ソレも痛いだろう。
足の裏で蹴るべきところで足の甲で蹴ってしまうところまで一緒だ。
「いやぶっちゃけ言うけど、死ぬの恐いよな。」
「いやまじそれ。」
「かといって自分がドッペルゲンガーっていうのも嫌なんだけど。」
「それな。」
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