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3話、ルーポの目的
3話、ルーポの目的
「な、何しやがんだテメェ!!」
俺は咄嗟にルーポを殴ったかに思えたが、オレの拳は空を切って本の一部にめり込んだ。
ちょこまかと逃げやがって!
「テ、テメェ!どういうつもりだ!?」
「目的?クスッ…そのままの意味ですよ…」
ルーポは自分の唇を触れながら嬉しそうにまた微笑んだ。
「今晩、僕と性行為を共にしてください」
せい…?
今なんつったんだ?
性行為…?
そう言ったのか??
「おい待て、オレは見るからに男だ!筋肉質でオマエよりデケェじゃねぇか!」
「ええ、だからですよ…。彫刻のように屈強な肉体も、まるで自分を殺め兼ねないような鋭く紅い瞳も とても素敵です、とても…」
ルーポは満面の笑みでそう応えると、頬を染めて恍惚そうに俺を見た。
まるで女が魅力的な男を見るように…。
「信じられねぇ…」
コイツ…男色家だったのか、どおりでさっきまで気前が良かった訳だ。
コイツの性癖は知ったこっちゃないが、その相手がオレとなれば話は別だ。
オレはフと窓を見た。
ここは3階、鳥みてぇに飛ぶ他に逃げ道がない。
しかも外は大雨だ、まるで屋敷が全てがこのクスリと笑う主人に味方しているようだった。
クソッ…頭が痛い。
それになんだ?妙に身体が火照るし息が上がる。
急にこんな症状があるとしたら何かを盛られたときだな。
盛られる…!?。
「オマエ、ミルクティーに何か仕組んだな…」
「ご名答、媚薬です。罠にはまった割には それなりに利口で良かったです。…クスクス」
気づいたらオレはヨロけて、吸い込まれるようにベッドへと座った。
チクショー、これではヤツの思うがままだ!
そしてルーポは跪いて、あろうことかオレの股間のモノを口に入れた。
「や、やめろっ…」
情けない声が出ちまった。
それを見たルーポはオレを上目遣いで見てクスリと微笑んだ。
チクショー、なんで野郎にこんなことされなきゃいけねぇんだ!
だが藻掻けば藻掻くほどに、逃げれば逃げる度に舌が絡みついてくる。
オレははまるで徐々に蝕まれていく獲物のようだ…。
「テメェ……、いい加減にしろよ……」
クソッ、薬のせいか身体が言うことを聞かねぇ!。
とんでもないことをしている そのガキはオレの表情を見て弄んでいやがる。
「その割には 君のココは固くなってきてますよ…?」
ルーポは一旦モノを口から出すと、楽しげにそう言うと舌なめずりをした。
そして、オレのバスローブを肌けさせて今度は胸を揉んできた。
「おや…、見た目に反して随分と柔らかい胸板と桜色をした頂きをお持ちで……滾りますね……」
そう言うと今度は2つの乳首を刺激し始めた。
片方は舌で舐められ、もう片方は指で弄られる。
「ひゃあっ……」
「クスッ…可愛らしい声をして、まるで生娘ですね……初々しい反応をして……ココももう、こんなになってしまわれて……」
ルーポは乳首を舐めながら再びオレのモノを弄り始めた。
ダメだ……、一刻も早く逃げねぇと……。
「まだ足掻くつもりですか?」
コイツは女みてぇだが結局は男じゃねぇかよ!
掘っただの掘られただのは勘弁だ!
そんな思いは泡のように消え、あろう事か今度はオレの尻に指を……
「あッ、あぐッ……」
「ココ、大抵の者は触れられた事ありませんよね……? 反応が可愛らしいですよ」
これは油…なのか?
ルーポの指には何かヌメりを帯びている。
いつの間にかそんなことしやがったのか!?
「2本飲み込みましたね……とても性的な身体……」
ルーポは恍惚な表情をしながらヌメッとした油をつけた指でオレの穴をまさぐり、今度はその片方の手でモノを擦る。
「そろそろ……良いですよね……」
は?何が??
この時のオレは理解が出来なかったが、すぐ様その意味を味合わされた。
ルーポは自分のイチモツをオレの尻に突っ込んできやがった。
「イ…イヤだっ……抜け……」
「キツい……先しか入らなそうですね……、その割には身体は僕を求めるように締め付けてきますよ……」
嫌だ!オレの"初めて"が男に抱かれるなんて!!
オレは必死に抵抗をした、まさか生涯男に抱かれるなんて一家の恥晒しだ!
いや、一家を捨てたわけだが……
「ムリっ……イヤだっ……抜けっ……抜けよッ……!、クソッタレ……」
「本当は優しくしたいのですが……無理そうですね」
ルーポは腰をゆっくりと動かし始めたが、それは次第に激しく荒々しく突いてきた。
最悪だ……こんなガキに………。
「クスッ……行為の初めてが僕だなんて……嬉しいですよ……」
こっちは全然嬉しくねぇんだよ!!
初めて味わう羞恥の数々に気づいたらオレは涙を流していた。
「おやおや、泣かすつもりは無かったのですが……。はァ…、…もう…限界…です……」
ルーポのモノを勢いよく抜かれ、尻からヤツの精液が太ももから滴り落ちるのを感じた。
クソッ…ここから消えたい、コイツを殺してオレも死にたい……
「嬉しいですよヴォルフ……、ですが泣かせて申し訳ないですね」
そう言うとルーポはオレの頭を撫でてから頬にキスをした。
「有難うございます……」
「クッ……」
クソっ、急に優しくならなくてもいいじゃねぇか。
ケモノなのか紳士なのか訳のわからんヤツ……。
自らの過ちとはいえ、女みてぇな野郎にケツを掘られるなんて……。
オレは改めて後悔をした。
すると、カーテンがゆらりと揺れた気がした。
カーテンは揺れるに決まっているが、それだけじゃない。
人の笑い声も聞こえた気がした。
「へぇ、この子がルーポの新しい女の子なんだね…」
オレはフと我に返って声の主を見た。
そこにはルーポと似た男がバルコニーの窓辺に立っていた。
ソイツは長身で薄紫がかった長い白髪に青い目を輝かせていて、この状況を微笑んでいた。
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