4話、道化師のような貴族

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4話、道化師のような貴族

4話、道化師のような貴族 長身で薄紫がかった長い白髪に青い目をした男。 ルーポと雰囲気は似ているが、コイツは明らかに大人だ。 「……兄上」 兄!? 「また人の秘め事を邪魔するおつもりなんですね……」 ルーポはキッとその男を睨んだ。 「別に邪魔する気はないよぉ、続けて!ねぇ続けてよォ!」 まるで喜劇か何かを鑑賞するかのように男はこのシチュエーションを楽しんでる。 戯けたピエロのようにケタケタと。 頭がグルグルと回る、目眩だ。 俺は酸欠を起こしたように息を荒らげた。 クソッ! 童貞だとバレるわ ガキにケツを掘られるわ 挙句の果てにソイツの兄らしき男に見られるわ 散々だ! 「つか…、テメェは何モンなんだ…?」 オレは朦朧とした意識のなかルーポの兄らしき男に尋ねた。 「うーん、どうしようかなぁ?」 男はわざとらしく首を傾げて悩むフリをしている。 「そうだぁ!こうしよう!」 男は何かを思いついたかのように見せて 手を1回叩いた。 すると男はいきなり猫背だった背筋を伸ばしてオレの方に向き直った。 「ボクの名前はジェスター・ディアマント。ルーポの兄さ、以後お見知り置きを…」 ジェスターと名乗ったソイツは胸に手を当てて丁寧にお辞儀をした。 オレは呆気に取られた。 さっきまで裏声を使ってたかのような幼子のような高い声で話していたが、今の音程はバスのように太い。 「えー、それじゃあ不満ん?」 ジェスターは声色を戻すと、オレの顔色を伺って またわざとらしく首を傾けた。 「よし!」 今度は猫背に戻り、どこからか出したかわからないシルクハットから紙吹雪を天上へと投げた 「my name is ジェスター・ディアマントォォォ!!」 先ほどの紳士的な振る舞いとは裏腹に、またピエロのように戯けた。 コイツは一体全体なにがしたいんだ? 「えー、これも不満ん?。じゃあ……」 「兄上、いい加減にしてください」 何度も自己紹介をするジェスターに対してルーポが言葉の喝を入れた。 ケツを掘った相手に言う言葉ではないが、でかしたとこのときは思った。 「弟の事情を監視しておいて、道化師のような立ち振る舞いを見せて……全く、呆れますよ」 「えー、だって面白いんだもぉん。普段から淡々としてるルーポがS・E・X!をする姿、情熱的でさぁ」 「貴方のような徒疎かな人間が何故 僕の兄なのか毎回のように理解に苦しみます」 理解に苦しむのはテメェの考えだろと言いたいが、今回はそんな気力がねぇ… オレは泥のようにグッタリとそのまま眠りについてしまった。
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