8人が本棚に入れています
本棚に追加
「紺先生、デスクの上に手紙が届いてましたよ!」
そう、俺の名前は紺堂。
皆からはコン先生と呼ばれている。
教務室に入るなり、事務の女性がニヤりと笑い、教えてくれた。
「あ、すみません。ありがとうございます!」
机の上には可愛らしい花柄の封筒があった。
裏面を見るが差出人の名前はない。
しかし俺はこれが誰からの手紙かを知っている。
今までにも何度か同じようなモノをもらっていたからだ。
だからこそ、見た瞬間に鼓動が早鐘を鳴らし出した。
ドキドキしながら封を開けると一言だけ書かれていた。
『コン先生をトリコにする魔法を覚えました! ハク』
俺は固まった。
ん?? トリコって、虜??
ま、まさか!
あいつはいつから俺の心を縛りたいと思っていたのだ?
突然のことに思わずにやけそうになる。
俺はその怪しい顔が周囲にバレないように、何食わぬ顔で封筒にしまうと急いで教務室を出た。
そしてあいつがいつもいる実験室へと向かった。
これからどんなことが起きるのだ?
あいつは俺に何をアピールしようとしてるのだ?
そう、淡い期待を抱きながら・・・
最初のコメントを投稿しよう!