俺は先生だ!

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ガラガラ――― 実験室を開けると、ハクがニコニコして俺を迎えてくれた。 俺はあくまでも先生だ。 変な下心は持ってはいけないと冷静を装った。 「おぉ、ハク! 手紙呼んだぞ!  何ができるようになったって?」 「ふふふ、コレすごいんですよ!  先生が増えるの!」 「は? 増えるってなんだ?」 ハクは三角フラスコを揺らしながら、オレンジ色の液体を自慢げに見せた。 「これでね、先生を3人にするの!」 俺は違う意味で固まった。 はぁ? まさか『トリコ』ではなく『トリオ』ってことか? おいおい、俺をトリオにして何が楽しい? 想像しただけで笑えるではないか・・・ 「あのね、先生はいつもみんなに引っ張りだこで大変でしょ? だから、コン先生が3人いるともっと楽になるかなーって思ったんです!」 あぁーそういうことか!  なんて優しい子なんだ! 2人でも3人にでもしてくれ――――! その代わり、こんな厄介な俺が複数いると、おまえが大変だぞ、ハク・・・ そう、こいつはがつくほどの天然。だがそこがなんとも可愛いのだ。
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