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それから数日後、デスクで溜まった仕事を片付けていると、女性事務員がまたニヤニヤしながら近づいてきた。
「はい、先生。いつものラブレター!」
彼女から手渡されたものは、アノ花柄の便せんだった。
ハクからまた手紙が来たかと思うと、嬉しくて柄にもなく声をあげそうになる。
しかしあげない。
なぜなら、俺はここの教師であり、あいつはイチ生徒だからだ。
「いつもすみません」
俺は少し面倒くさそうな顔をしながら手紙を受けとった。
心の中は空まで高くスキップして駆け上がっていたが・・・
『コン先生、クモを捕まえる方法を教えてください。 ハク』
その手紙をみてハテナが飛んだ。
クモ??
色々想像できるが、なぜクモ??
そう思いながら、いったん教務室を出る。
そして廊下の窓から外を見ると、向かい側の高台にハクの姿が見えた。
何してんだ?
しばらくあいつの行動を眺めていると、大きな布のようなモノを広げだした。
ん? あれは、絨毯??
え?? 魔法の絨毯ってことか??
つまり、クモっていうのは、雲ってことか?!
おいおい、空を飛ぶつもりか!!!
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