冷凍食品もおいしい

1/8
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
《【募集概要より、引用ここから】・好きな人に告白する為に痩せたのに「痩せる前の君が好きだった」。こうなったら逆ダイエットだ! ・どんな人にも美味しいと言わせる不思議調味料を手に入れたので、料理下手だけど店を開くことにした。【引用ここまで】この2つをお題として「食べる」を書きます。もし、著作権などでご指摘がありましたら、速やかに削除します。》 《本文》 「痩せる前のあなたが好きだった」  短パンだけになった僕の体を見ながら、涙目で深里(みさと)が呟く。心配をかけてしまって済まない。言いたいことは分かった。 「最後にする」 「え! うん」  深里(みさと)がぱっと花が咲いたように笑顔になった。県立体育館のロッカールームは、アマチュアボクシング県大会会場だ。  控室で深里(みさと)が手伝い僕はグローブをつける。 「ファイト!」  無機質で機能的な作りの廊下を、一人で歩く。背中からは、深里(みさと)の明るい掛け声がした。  緊張と不安で心臓が高鳴る。広い体育館に出れば、中央にある四角いリングが、大きく見えた。  係員の案内でリングの上に上がった。対戦相手は県大会優勝経験もある、飛田(とびた)さんだ。    
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!