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《【募集概要より、引用ここから】・好きな人に告白する為に痩せたのに「痩せる前の君が好きだった」。こうなったら逆ダイエットだ!
・どんな人にも美味しいと言わせる不思議調味料を手に入れたので、料理下手だけど店を開くことにした。【引用ここまで】この2つをお題として「食べる」を書きます。もし、著作権などでご指摘がありましたら、速やかに削除します。》
《本文》
「痩せる前のあなたが好きだった」
短パンだけになった僕の体を見ながら、涙目で深里が呟く。心配をかけてしまって済まない。言いたいことは分かった。
「最後にする」
「え! うん」
深里がぱっと花が咲いたように笑顔になった。県立体育館のロッカールームは、アマチュアボクシング県大会会場だ。
控室で深里が手伝い僕はグローブをつける。
「ファイト!」
無機質で機能的な作りの廊下を、一人で歩く。背中からは、深里の明るい掛け声がした。
緊張と不安で心臓が高鳴る。広い体育館に出れば、中央にある四角いリングが、大きく見えた。
係員の案内でリングの上に上がった。対戦相手は県大会優勝経験もある、飛田さんだ。
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