欠けた満月の日

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 空から降り落ちるもの、それは雨ではなく、涙。  凛子が口にしなかった弱音、兄が抱えていた痛み、将斗が隠していた家族の秘密。  月が昇るたび、望は夜空を見上げる。  藍鼠色の空に浮かぶのは決して満ちることのない、欠けた満月。
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