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「弟と? 一緒にいなきゃなんねえって、弟なんかあんの? 病気?」
「いや、そーいう訳じゃねぇけど……」
「弟も一緒に来れば?」
「そんなの悪ぃし」
「親と一緒に食うんじゃダメなん? 昨日、お前の分作ってあるって言ってたの、まさか弟が作ってるとか?」
俺のクエスチョンマーク攻撃に、チハルは仏頂面になった。
「んだよ、何でそんなに色々聞いてくんだよ」
その質問と同時に担任が教室に入ってきた。それで俺は「Sだから」と適当に答えて鞄を机の横に掛けた。
その日、チハルは思いに耽っていることが多く、いつものような元気がなかった。ちょっと突っ込みすぎたか。
ホームルームが終わり、鞄を手に立ち上がると、両手をポケットに突っ込んだままチハルが「おい」と呼び止めてきた。
「何」
「…………」
周りのクラスメイトたちが喋りながら教室を出て行く中、チハルは黙ったままだった。呼び止めておいて黙るって、なんだ? 帰るに帰れねえじゃん。
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